alcohol and art

酒は大学卒業後に日本へ引っ越してから飲み始めた。大学生の頃はせいぜい週末のパーティーや夜中の勉強会の気晴らしにたま~にするだけだったが、日本ではバーへ通うことがほぼ日課になっていた。 とはいえ、来日直後はまだ仕事仲間以外の友達が少なく、ほとんど七畳半のアパートにこもりっぱなし。この井戸の蛙みたいな生活が1年もだらだら続き、しまいには自分のことがイヤになってくる。 このままでは人間が腐ると思い、仕事仲間が以前連れてってくれた英国系バーへ通うことに。最初はこの楽しいはずの環境に行くのがつまらん学校へ通うように苦痛だったが、1~2ヶ月したら常連と仲良く話すことになり、その一年チョット前にはまだ「外国」だった所の生活に馴染んできた。しまいにはアパートは「寝るところだけ」の場所になり、終電に間に合えず12キロを4時間近く歩く体験も数々した。 この生活のパターン変更のおかげで内気の自分が孵化して開放されたようだ。 表題のアルコールの話になるが、日本慣れした自分がお馴染みのバーへ行って誰もいなくても(月、火とかはあたりまえだが客が少ない)ギネスを注文し、テーブルに座ってグラスの中のきめ細かい泡をじーっと見てたり、ふらーっと入ってくるカップルのお客さんを観察したり、見たもの聞いたものが自分の人生にどうつながっているかと、なんちゃって哲学的な考えに浸っていた。アーティストが大麻を吸ったりアヘンをやってインスピレーションを促進させる話もなんとなくわかってくる。 んがしかし、やはり大切なのはたまにじ~っとして、口を閉じ、五感をつかってまわりを観察することかな。

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